主役メカ「RX-78ガンダム」のデザインを読み解いて!

主役メカ「RX-78ガンダム」のデザインを読み解いて!
主役メカ「RX-78ガンダム」のデザインを読み解いて!

サカダチです。

「リアリティ」よりも「遊び心」
さらにはクライアントの要求もあるわけで…。
「かっこいいカタチは単純にかっこいい!」だけでは成り立たない時代。
さまざまな規約・制約の中生み出されたガンダムのデザイン。

今回は「RX-78ガンダム」のデザインがいかに生み出されていったのかという話を少し。



じつはガンダムが主役機ではなかった!

ガンダムの企画が上がった当時、当然ながらさまざまな検討がされていたようです。
もちろん富野由悠季さんの原作に則るならば、やっぱりシリアスなムードのハードコアなものにはず。
そうなればガンダムのデザインだって少なからず「ザンボット3」や「ダイターン3」などのようなメカニックデザインではないのは素人でも想像はつきます。
で、キャラクターデザインの安彦良和さんは「ガンキャノン」を主役機にしようと提案していたらしいです。
確かにガンキャノンのデザインってロボット然としてるしなんだか宇宙服っぽい。
ある意味、科学的バックグランドを感じさせるデザインですよね。
たしかに筋は通りますが大河原さんに言わせると大人向けSFすぎて子供受けする要素が足りないと。
主役機はアニメで活躍してもらうだけでなく、スポンサーがそれを使ってオモチャを売ったり商売をするわけです。
戦いはアニメの中だけではなく、ライバル商品との「売れる」「売れない」の戦いがある。
後追いの感想でしかありませんが、率直に言えばガンキャノンのデザインでは「ショーケース映え」しないかなぁ…。
「機動戦士ガンキャノン」ではオモチャが売れないと。
で、改めてガンダムのデザインを煮詰めたらしいです。
「リアルロボット」と「子供受け」そして「スポンサー」と「おもちゃ」
やっぱりニーズに応えながらのデザインって大変ですね。



ガンダムに見える革新的なデザイン

アニメの主役機は機能よりもこけおどしが重要だと大河原さんは綴ってます。
鎧や兜にも様々な飾り付けが施してあるように機能的ではない勇ましさはもちろん、ガンダムには江戸時代の武士を意識したデザインが盛り込まれている。
確かによく見ればメインカメラから伸びるあたりは確かにちょんまげっぽいし、胸元あたりは裃(かみしも)っぽい、もちろん刀も持ってるし、兜っぽいアンテナもしっかり付いてたり。
男子が好きそうな要素てんこ盛りなんだなぁ。
でもやっぱり大河原ですので今までのデザイン通りに口が付いてたんですって。
ただこれは逆にストーリーを加味し、安彦さんからダメ出しがあって却下されたらしくマスクで覆ったみたいです。
さらには今までの円柱と角柱の組み合わせのロボット然としたイメージを払拭するため、人間的なシルエットに近づけていったみたいです。
そのような思いが直線と曲線が絶妙に組み合わさったガンダムを生み出していったんですね。
確かにふくらはぎを連想させるシルエットの足を持つロボットなんて今まで見たことなかったなぁ。
でも色に関しては「オモチャ三原色」の赤・青・黄の組み合わせと言うところがなんともかんともです…。


今の今まで脈々と受け継がれる元祖ガンダムのデザインにもいろいろな背景があって実に面白いですね。
僕なんかはガンダムっぽい(ドラグナー然りレイズナー然り)だけでやられてしまうのだから、このカタチには人を惹きつける魔力があるように感じてしまいます。
唸り惹きつけられるガンダムのカタチ、最高です!

兆しのサカダチ

今回の兆し

あぁ、ガンダム。少し愛して、なが〜く愛して(by:大原麗子)